novel
「新刊展望」で2007年から2009年まで連載をしていた 『家飯』を改題したという「今日のごちそう」。 23の短編それぞれ「伊達巻」「アンコウ鍋」「のり弁」 「ラタトゥイユ」などおいしそうなタイトルがついています。 どれもありふれているような日常の中…
体が芯から冷える、本格的な冬になったころ やっぱり食べたくなるのが粕汁。 なので、大好きなみをつくし料理帖シリーズの1作目、 「八朔の雪」の”夜半の梅”で登場する酒粕汁を。 作るにあたって読み返しましたが、 何度読んでも涙なくしては読めないのです…
「1Q84」BOOK2で主人公の天吾が 青豆(小学校の時の同級生の女の子の名前です)を 思い出しながら”まるで飛行機の操縦モードを「自動」に切り替えたみたい”に 自分の食事のために作った料理です。 天吾はたくさんの生姜を包丁で細かく刻んだ。そし…
ずいぶんひさしぶりの更新になってしまいました。 今回は小川糸さんの「あつあつを召し上がれ」から ぶたばら飯です。 小川糸さんといえば、やっぱり「食堂かたつむり」が有名ですよね。 以前ジュテームスープとか、洋ナシのサンドイッチを作りました。 他の…
宮部みゆきさんの小説は全部読んでいます。・・・時代物以外。 時代物が嫌いという訳では決してないのですがなぜだったんでしょう。 自分でもよくわからない心理。でも、いよいよ手をつけてみたら、やっぱりおもしろい。 この「初ものがたり」は「本所深川ふ…
ハリー・ポッターの舞台といえばイギリスですので 物語にも出てきたイギリスの家庭料理、シェパード・パイ。 なぜシェパード?正しくはシェパーズ・パイ(Shepherd's pie)、 つまり羊飼いのパイということで、羊肉を使うのだそう。 ちなみに、牛肉を使うと…
群ようこさんの「かもめ食堂」は、小説よりも映画を先に観た作品です。 この小説は映画のために書き下ろされた作品だったのですね。 フィンランドのヘルシンキでひとり「かもめ食堂」を開店するサチエさんと ひょんなことから食堂のお手伝いすることになるミ…
「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」もまた村上作品の中でも美味しそうなお料理がたくさん出てくる作品のうちのひとつ。 以前にストラスブルグソーセージの煮込みも作ったけれど、なぜならば、登場人物のひとりである図書館のリファレンス係の女…
児童文学作家の梨木香歩さんの作品「西の魔女が死んだ」はとても大好きな作品で 時々手にとって読みたくなる作品です。 中学生のまいとイギリス人の祖母とのひと月ほどの生活がメインのお話で タイトルの「魔女」とはそのイギリス人のおばあちゃんのこと。彼…
僕は夕方にパンとサラダとハム・エッグを食べ、食後に桃の缶詰を食べた。 翌朝僕は米を炊き、鮭の缶詰とわかめとマッシュルームを使ってピラフを作った。 昼には冷凍してあったチーズ・ケーキを食べ、濃いミルク・ティーを飲んだ。 三時にはヘイゼルナッツ・…
少し前に、同じく「植物図鑑」のフキ味噌を作りましたが、今回はフキとノビルのメニューです。 フキごはんは、これもまたちょっと前にみをつくし料理帖シリーズ「花散らしの雨」の蕗ご飯を作りました。 今、ちょうど蕗が取れる時期で、しょっちゅういただく…
ブレーズ・パスカルとジョン・レノンに捧げるこの作品は考えながら読むこともしも音楽が必要なら ヘッドフォンでビートルズをこの作品は、永遠に終わらない以下はその果てのない物語の ささやかな序章にすぎない 1985年発行の三田誠広さんの小説です。現在は…
母のお友だちの畑で採れたお野菜をたくさんいただきました。 サラダ菜、かき菜、ブロッコリー、フキ、ネギ、ほうれん草、あしたば、などなど たくさんいただいたので、しばらく、近くで採れたおいしくて新鮮なお野菜が たくさん楽しめるので、とてもうれしい…
有川浩さんの「植物図鑑」からフキ味噌です。 「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」 「咬みません。躾のできたよい子です」 ある日の飲み会の帰り道、道端に落ちていた(!)すてきな男の子との こんな突拍子もない出会いから始まってしまう力技…
春樹さん4作目の長編。「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」での出来事が 交互に語られる、パラレル・ワールド。 そしてこの小説は、わたしが今、図書館司書であることの、ちょっとしたきっかけになった物語でもあります。 「どうして図書館…
みをつくし料理帖シリーズ1作目「八朔の雪」から茶碗蒸しです。 主人公・澪がもともといた上方では昆布出汁を使う食文化でした。 江戸は鰹を使うのですが、澪が働いているつる家は、もともと蕎麦屋だったため あらかじめ厚めに削った鰹節を沸騰した湯でぐつ…
みをつくし料理帖第二弾「花散らしの雨」から、「ありえねぇ」と「忍び瓜」を作りました。 夏のお話しで、どちらも胡瓜のお料理です。 「ありえねぇ」はたんなる蛸と胡瓜の酢の物なのですが、江戸では蛸の旬と言えば冬で どうも夏に食べるのは野暮だったよう…
高田郁さんの”みをつくし料理帖”シリーズの4作目「今朝の春」からははきぎ飯です。 ふとしたことから、地膚子という小さな実を手に入れた澪が どうしたらこの実を食べられるかと考えて作った料理です。 「これは地膚子です」 「じふし?」 「ええ。ほうき草…
「みをつくし料理帖」シリーズの4作目、「今朝の春」から”里の白雪”です。 みをつくし料理帖シリーズを読み始めたのは、同僚から 「美味しそうな本があるので、ぜひ。きっと好きですよ」と勧められたからでした。 わたしは、フィクション、ノンフィクション…
「サトル君と、両想いにしてもらえませんか?」 (中略) 気持ちのよい小春日和に、桃ちゃんはサトル君を引き連れて自転車で食堂かたつむりに現れた。桃ちゃんはこの村から町の学校に通っている高校生で、顔にはまだあどけなさが残っている。 インド人の恋人…
図書館で働くせいか”図書館”のキーワードには思わず反応してしまうのですが 数年前に一度「図書館戦争」を手に取った時には、数ページ読んだところで 文体とノリがいまいち合わず、読むのをあきらめてしまっていた本です。 本を読むタイミング、というのは人…
ねじまき鳥クロニクルで、失業中の主人公が、妻の帰宅を待ちながら作る料理です。 ねじまき鳥といえば、冒頭のスパゲティかもしれませんが、今日は使ってしまいたい牛肉があったので 春樹さんにはめずらしく、なんだか凝っていない男の料理、という一品を。 …
今、畠中恵さんのしゃばけシリーズにすっかり夢中。 シリーズ一作目の「しゃばけ」は2001年に刊行されていました。 すでに今年の夏に九作目が出ているほどの人気シリーズに遅ればせながら手を出してみました。 舞台は江戸の大店、長崎屋。若だんな一太郎は身…
僕は鞄を整理して旅行の領収書を集め、牧村拓に請求するものと僕が自分で払うものとに分けた。 (中略) 清算を終えると、ホウレンソウを茹でてちりめんじゃこと混ぜ、軽く酢を振って、それをつまみにキリンの黒ビールを飲んだ。そして佐藤春夫の短編を久し…
「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」、「羊をめぐる冒険」の 鼠三部作の続編、「ダンス・ダンス・ダンス」。 ユキと行くハワイのシーンがとても好きだけれど 五反田君と一緒にお酒を飲むシーンも、とてもおいしそう。 特に僕が作るお料理はなんだ…
「どれくらい私のこと好き?」と緑が訊いた。 「世界中のジャングルの虎がみんな溶けてバターになってしまうくらい好きだ」と僕は言った。 「ふうん」と緑は少し満足したように言った。「もう一度抱いてくれる?」 僕と緑は彼女の部屋のベッドで抱き合った。…
村上作品によく出てくる料理がパスタとサンドウィッチ。 ビールによく合うから? それ1品でお料理が成立するから? それにしても村上さんの書くパスタもサンドウィッチも本当においしそう。 僕はいつもと同じカウンターの端の席に座り、壁に背中をつけて店…
「一番好きな作家は?」と聞かれたら、迷わず「村上春樹さん」と答えます。 好きな作家も作品も、たくさんたくさんあるけれど でも、村上春樹さんはそれくらいに、特別な存在です。 そして、このブログを始めるにあたって、頭の中にあったのは 村上春樹作品…
鼠を待つ別荘で、僕は毎日丁寧に食事を作って食べる。 僕は夕方にパンとサラダとハム・エッグを食べ、食後に桃の缶詰を食べた。 翌朝僕は米を炊き、鮭の缶詰とわかめとマッシュルームを使ってピラフを作った。 昼には冷凍してあったチーズ・ケーキを食べ、濃…