/ダンス・ダンス・ダンス ”結局食べられなかったハムのスパゲッティ”
村上作品の中でも「ダンス・ダンス・ダンス」はおいしいお料理の宝庫だと思うんです。
”僕”が作るお料理はどれもシンプルでぱぱっとかんたんそうに作るのだけれど
素材にこだわっていたり、なによりお酒がすすみそう。
こんな風に、さっとおいしそうなお料理を作ってくれる男のひと(女のひとでも)がいたら素敵。
今回はハムを使ったスパゲティ。
僕はセロリを齧ってしまってから、夕食に何を食べようかと考えた。スパゲッティにしよう、と僕は思った。にんにくを二粒太めに切ってオリーブ・オイルで炒める。フライパンを傾けて油を溜め、長い時間をかけてとろ火で炒める。それから赤唐辛子をまるごといれる。そしてそれもにんにくと一緒に炒める。苦みの出ないうちににんにくと唐辛子を取り出す。この取り出すタイミングがけっこう難しい。そしてハムを切ってそこに入れ、かりっとしかけるところまで炒める。そこに茹であがったスパゲッティを入れ、さっとからめてみじん切りにしたパセリを振る。それからさっぱりとしたモツァレラ・チーズとトマトのサラダ。悪くない。
このお料理、かなり説明が詳しいので読んだ通りに作ればいいので、本当にかんたん。
自分だったら、ハムじゃなくてベーコンを入れちゃうんだろうなと思うんですが、ここはハム。
だからなんとなくベーコン入れたらっていう塩加減で味をつけてしまったら、少し塩が足りなかったみたいです。
白ワインとかでもよさそうだけれど、村上作品の登場人物だったら、間違いなくビールなんだろうな、と。
モッツアレラ・チーズとトマトはシンプルに塩、こしょう、オリーブオイルだけで。上にスイートバジル。
スパゲッティはとてもおいしかったんですが、作中ではこのあと僕に友人の五反田君から電話がかかってきて
六本木の外れにあるステーキ・ハウスでミディアム・レアのステーキとサラダを食べることになります。
つまり、考えるだけ考えて、実際には作中では食べられることのなかったスパゲッティだったのでした。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1988/10/24
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