かもめ食堂/群ようこ”サチコさんの焼き立てシナモンロール”


群ようこさんの「かもめ食堂」は、小説よりも映画を先に観た作品です。
この小説は映画のために書き下ろされた作品だったのですね。
フィンランドヘルシンキでひとり「かもめ食堂」を開店するサチエさんと
ひょんなことから食堂のお手伝いすることになるミドリさんとマサコさんを中心に
ヘルシンキに住む人たちとのふつうで、ちょっとおかしな日々のお話し。
映画ではサチエは小林聡美さん、ミドリは片桐はいりさん、マサコはもたいまさこさん。
このキャストがまた、わたしの大好きな昔の深夜ドラマ「やっぱり猫が好き」を彷彿とさせて
にやりとしてしまいます。


かもめ食堂のいちおしメニューは鮭やおかか、昆布、梅干しのおにぎり。
でも、ヘルシンキの人たちにはなかなかオーダーしてもらえなくて
最初に街の人たちに気に入ってもらえたのがサチエさんの焼いたシナモンロールでした。

「これはお手製?」
 と一人がシナモンロールを指差した。しかしフィン語がわからないミドリがうろたえていると、サチエがやってきて、自分が作ったのだと説明した。満足そうに三人はうなずき、二人が遠ざかったあと、
「あの子供はすごいわね。フィン語もしゃべれるし、店で出すパンも自分で焼いているんですって。おまけにこれ、とってもおいしいわ」


で、シナモンロールのレシピなんですが、糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」に載っていました。
さらに、この映画のフードコーディネーターである飯島奈美さんの動画による作り方も
ネットで紹介されていたので、こちらを参考に作りました。



詳しい作り方はどうぞ上の動画を参考にしてください。



ポイントは生地に粗みじんのカルダモンを入れるところでしょうか。
緑色の皮の部分はむいて中身を出して、粗く砕きます。包丁でみじん切りにしても良いです。



カルダモンはカレーに使われたり、ケーキの風味付けやチャイにも使われたりしている香辛料で
シナモンとの相性もとても良いみたいです。


飯島さんのレシピ通り手ごねで作りました。成型に特徴があって
長方形にのばした生地にグラニュー糖とシナモンを振りかけて、くるくる丸めます。



ここまでは普通なんですが、そのあと、こんなふうに台形になるようにカットします。



で、台形の短い辺の方を上にして指でぎゅうっとおさえるんですが、そこらへんのやり方は
どうぞ、飯島さんによる動画での説明をご参考にしていただければ…。
180℃のオーブンで13分ほど焼いたらできあがりです。



上にかけたワッフルシュガーがいいかんじです。おいしそう。


そしてコーヒー。



かもめ食堂」を観た人ならば絶対にしたくなるのが、”コピ・ルアック”と言いながら
フィルターにセットしたコーヒー豆に人差し指でちょっと穴をあける、コーヒーがおいしくなるおまじない。
(このおまじないのくだりは小説には出てこないのですが)



甘さも控えめで、一度にふたつくらい食べられちゃいそう。朝ごはんにもよさそうなシナモンロールです。


かもめ食堂」で使われている食器や家具もとてもすてきで、全てのシーンが絵になる映画。
イッタラ(ittara)アラビア(ARABIA)の食器、ポットはアンティ・ヌルメスニエミ(Antti Nurmesniemi)
マサコさんが着ていたマリメッコ(marimekko)のワンピースもすてきだったし、インテリアやキッチンなどのシーンを見ているだけでも
とても楽しい映画です。
のんびり、ゆっくり、でもしっかり地に足をつけて、歩くスピードの生活が心地良いです。
こんな風に、ゆっくりていねいにごはんを作って、毎日を過ごせたらすてきだなと思います。



●「かもめ食堂」オフィシャルHP
http://www.nikkatsu.com/movie/official/kamome-movie/


●かもめとめがねのおいしいごはん(ほぼ日刊イトイ新聞
http://www.1101.com/megane-movie/index.html


かもめ食堂 (幻冬舎文庫)

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