1Q84”海老、マッシュルーム、セロリ、チャイニーズ・パセリの炒めもの”



1Q84」BOOK2で主人公の天吾が
青豆(小学校の時の同級生の女の子の名前です)を
思い出しながら”まるで飛行機の操縦モードを「自動」に切り替えたみたい”に
自分の食事のために作った料理です。

 天吾はたくさんの生姜を包丁で細かく刻んだ。そしてセロリとマッシュルームを適当な大きさに切った。チャイニーズ・パセリも細かく刻んだ。海老の殻をむき、水道の水で洗った。ペーパータオルを広げ、そこに兵士たちを整列されるように、海老をひとつずつきれいに並べた。
(「1Q84」BOOK2/村上春樹 p.94-95)



以前、料理家のケンタロウさんのテレビ番組で
海老は背中側を開いておくと、火を通したときにボリューム感が出る、と
聞いたことがあって、それ以来、背を開くようにしています。
火も通りやすいかなと思います。

それから大きなフライパンを温め、そこに白ごま油を入れ、まんべんなく延ばした。刻んだ生姜を細火でゆっくり炒めた。
(「1Q84」BOOK2/村上春樹 p.95)


そして、青豆のことを考え続けながら、料理を仕上げます。
刻んだセロリ、マッシュルームを強火で炒め、軽く塩胡椒、
野菜に火が通り始めたら海老を入れて更に全体に塩胡椒。
小さなグラス1杯の日本酒を注いで、ざっと醤油をかけ、
最後にパセリをまぶして完成です。


ちなみにここでいう「チャイニーズ・パセリ」とは「コリアンダー」のこと。
香菜(シャンツァイ)と言ったり、タイでは「パクチー」と言われたり。
それにしてもパクチーが普通に冷蔵庫にある独身男性ってすごい。

 海老と野菜の炒め物ができあがると、フライパンから大きな皿に移した。新しいビールを冷蔵庫から出し、食卓について、考えに耽りながら、まだ湯気を立てている料理を食べた。
(「1Q84」BOOK2/村上春樹 p.96)



やっぱりビールが合いますよね。生姜がピリッと聞いています。
パクチーを使うなら、ナンプラーにしてしまいそうなところですが
日本酒と醤油。そしてごま油。
どこの国の料理とも言えない、エスニックなお料理。


わたしがもし、この食材が冷蔵庫にあったら
海老とセロリとマッシュルームで、なにか洋風のお料理を
作るだろうなと思うんです。
トマト味とか、はたまたニンニクとオリーブオイルとか。
これにごま油と醤油と生姜とパクチーを合わせる発想がすごい。
目からウロコでした。
村上春樹さんの小説に出てくるお料理で以前作った油あげのフライとか
突拍子もないお料理や、一風変わった食材の組合わせとかあるんですが
それもちゃんとおいしいところがすごいなあと思います。
料理ってほんと、経験はもちろんのこと、想像力とセンスって重要だなと思います。


冷蔵庫のあまりものでいつでもぱぱっとおいしいお料理が作れる、
そんな風になりたいものです。


1Q84 BOOK 2

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