きりのなかのはりねずみ/作ユーリー・ノルシュテイン、セルゲイ・コズロフ、絵フランチェスカ・ヤルブーソヴァ、訳こじまひろこ”のいちごの はちみつに”


ユーリー・ノルシュテインの短編映画「霧に包まれたハリネズミ」の
絵本が「きりのなかのはりねずみ」。
わたしがこの作品と出会ったのは絵本が先でした。
暗くてマットな質感の中に、ぽうっと白く光る星や、白い馬。
なんて素敵な絵本だろうと一目で好きになったのですが、
その後、元となる映像作品を観た時、鳥肌が立つくらい
その美しい世界に引き込まれました。
この絵本をご存知の方は、是非映像作品も観ていただきたいです。


ひが しずんで、あたりが うすぐらくなってきました
はりねずみは、こぐまのいえに でかけます。
ふたりで、おちゃをのみながら 星を かぞえるのです。
はりねずみは、のいちごの はちみつにを もちました。
こぐまが だいすきなのです。
みみずくが こっそり ついてきました。
「きりのなかのはりねずみ」p.2より引用 


ストーリーは仲良しのこぐまの好物の野いちごのハチミツ煮を届ける
ハリネズミの小さな小さな冒険(?)のお話し。
こぐまと一緒に夜空の星を数える約束をしているのです。
小さなハリネズミの小さな恐れや驚き、憧れや喜び、
そんないろいろが、暗い霧の中にキラキラと浮かんでは消え
消えては浮かぶ物語です。
ハリネズミと一緒にミミズクに驚いたり
美しいしろうまさんにみとれたり
こぐまくんに会えた嬉しさを感じたりして
観終わった(読み終わった)後には
なんだかふうっと大きく息をついて
自分がずいぶんこの物語の霧の奥深くまで
入り込んでいたことに気付くような、そんな作品です。


絵本は健在ですが、映像作品の方は残念ながらDVDが絶版中。
ぜひ、再販してもらいたいと心から願っています。


さて、ハリネズミが届けた野いちごのハチミツ煮ですが
わたしはラズベリーをハチミツで煮てみました。
フレッシュのラズベリーはあまり見かけないのですが
この間、友人と表参道をお散歩していたら
なんと道端でラズベリーを売っていたので迷わず購入。



種のプチプチ感と、野性味のある酸味がとても心地良い。
洗ってお鍋に入れて、ハチミツを全体にいきわたらせるように
まんべんなくかけて、火にかけます。



ラズベリーから水分が出て、色が一度抜けて白っぽくなって
そのあと、また赤くなった頃に少しレモン汁を入れるだけ。
分量とか、煮る時間とか、ほとんど何も考えず
ざっくりと作ってみました。ハリネズミの気持ちになって。
できあがったハチミツ煮はこっくり甘くて酸っぱくて
ストロベリーとは違う、ストレートな野性味がとても良いです。



紅茶に入れて、星を眺めるのにも、いいみたい。
また生のラズベリーに出会ったら、きっと迷わず買って
こんな風にざっくり作ってしまうのだろうな。



紅茶に入れてみたらどうかなと思って試してみたら
なんだかローズヒップティーみたいな感じで
ちょっと酸味が強すぎるかな?と思いました。
もっと甘い甘いジャムの方が合うみたいです。



きりのなかのはりねずみ (世界傑作絵本シリーズ)

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ユーリ・ノルシュテイン作品集 [DVD]

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きりのなかのはりねずみぬいぐるみ(はりねずみ)

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きりのなかのはりねずみ ぬいぐるみ(こぐま)

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