花散らしの雨〜みをつくし料理帖〜/高田郁”ほろにが蕗ご飯”
母のお友だちの畑で採れたお野菜をたくさんいただきました。
サラダ菜、かき菜、ブロッコリー、フキ、ネギ、ほうれん草、あしたば、などなど
たくさんいただいたので、しばらく、近くで採れたおいしくて新鮮なお野菜が
たくさん楽しめるので、とてもうれしいです。
フキも美味しそうなものをたくさんいただいたので、みをつくし料理帖シリーズ第二弾から
ほろにが蕗ご飯。蕗と言ったら煮物かきゃらぶきくらししか思いつかなかったので
蕗の炊き込みごはんとは、ちょっと新鮮。
澪ちゃんが働く「つる家」にふきちゃんという少女が奉公にやってくるという話で
季節にも、ふきちゃんの名前にもぴったりな蕗ご飯。
蕗の葉を落とし、いくつかに切ると、たっぷりの塩で丁寧に板摺りする。鍋に湯を沸かし、さっと茹でたら水に放つ。
「こうすると灰汁が抜けて美味しくなるの。あ、葉はあとで使うから捨てないでね」
蕗の下ごしらえはこれでおしまいです。板摺りしているところでもう、蕗の灰汁が出て、手が黒くなります。
澪は油揚げを使おうとして、止めた。蕗だけの旨さで味わうご飯も良い、と思いついたからだ。塩と酒を加え、食べやすい大きさに切った蕗をいれて飯を炊く。炊きあがる間に灰汁抜きした葉と雑魚(じゃこ)とで炒め煮を作った。
巻末のレシピを見ると、お米2カップに対して蕗3本を食べやすい大きさ(1.5cmくらい)に切って
味付けは酒大さじ1、塩小さじ1。たったそれだけです。
それから灰汁抜きした葉と雑魚の炒め煮は、適当に葉を細かく切って、雑魚を加えて胡麻油で炒めて
酒、醤油、白だしで味付けしました。
「他のものを混ぜても良いんだけど、蕗だけでも素晴らしく美味しいでしょう?蕗はもともと力のある野菜だから」
ただ蕗と少しの塩と酒で炊いただけなのに、蕗の香りが湯気と一緒にふんわりただよって
とても優しい蕗の味が広がる、春を満喫できる炊き込みご飯になりました。
そして、蕗と雑魚の炒め煮も一緒に食べると、胡麻油の香ばしさと、茎の部分とまた違う
蕗のほろ苦さが広がって、これだけで、蕗をまるごと楽しめます。
こんな蕗づくしも、春の大地の味を楽しめる、ちょっとした贅沢かもしれません。
- 作者: 高田郁
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2009/10/15
- メディア: 文庫
- 購入: 9人 クリック: 60回
- この商品を含むブログ (94件) を見る