/風の歌を聴け”ジェイズ・バーのフライド・ポテト”

 東京に帰る日の夕方、僕はスーツ・ケースを抱えたまま「ジェイズ・バー」に顔を出した。まだ開店してはいなかったが、ジェイは僕を中に入れてビールを出してくれた。
「今夜バスで帰るよ」
ジェイはフライド・ポテトにするための芋をむきながら何度か肯いた。
「あんたが居なくなると寂しいよ。猿のコンビも解消だね。」ジェイはカウンターの上にかかった版画を指さしてそう言った。「鼠もきっと寂しがる。」
「うん。」
(中略)
 ジェイは僕にビールを何本かごちそうしてくれ、おまけに揚げたてのフライド・ポテトをビニールの袋に入れて持たせてくれた。


僕と鼠が、来る日も来る日もビールを飲み続けるジェイズ・バーで、よくおつまみになっていたフライド・ポテト。
フライド・ポテトとビールのコンビって、もう、エンドレス。美味しい、けど、ちょっとこわい。



フライド・ポテトの作り方も何も、じゃがいもを切って揚げるだけなのですが
作るにあたっていろいろネットで調べてみると、みなさんいろいろこだわりがあるようです。
太さ、皮のありなし、揚げる前に必ず水にさらすとか、
二度揚げ派や、茹でてから揚げるとか、レンジで柔らかくしてから揚げるとか。


今回は、小説ではジェイが芋の皮をむくシーンがよく出てくるので、皮はむくことにしました。
少し大きめに切って、3分くらいレンジで加熱してから、油で揚げました。
じゃがいもを油からあげる少し前に、ローズマリーを入れて、一緒に揚げました。
ポテトとローズマリーの相性も良いし、見た目にもちょっとよそゆきっぽくなりました。
塩はポテトが温かいうちに振っておくと、中まで塩味がはいっていいそうです。粗めのお塩を効かせて完成。



少しの手間はかかるけれど、シンプルな揚げたてフライド・ポテトをビールと一緒に食べる。
ビール好きには、たまらない。


風の歌を聴け (講談社文庫)

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